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ACADEMIC RESEARCH

研究に関するインタビュー

TOP > 研究に関するインタビュー > 通信システム研究室 海老澤 賢史 准教授

海老澤 賢史 准教授

電子情報学系通信システム研究室

海老澤 賢史准教授

EBISAWA Satoshi

逆転の発想で、邪魔者扱いされていた振動を安全な光通信のために役立てたい

研究の内容を教えてください

研究の内容を教えてください。

 半導体レーザーの、カオスという複雑な振動を使って新しい暗号通信を開発しようという研究をしています。現在使われている情報通信は、コンピューターで作られた暗号で守られてはいるのですが、今より高度なコンピューターができれば解かれてしまう暗号なので、物理現象を利用して原理的に解けない暗号を作りたいという研究です。高度情報化社会において、情報を確実に守れるような安全安心な通信が実現すれば、将来的に強力なコンピューターができたとしても安全が担保されるため非常に重要な役割を持っています。半導体レーザーのカオスというのは、もともとは邪魔者扱いされていた、不安定で複雑な振動です。例えば、レーザープリンターにレーザーを組み込む時には、カオスという不安定な信号が起こらないようにします。それをあえて応用しようという逆転の発想みたいなものなので、そういうところがおもしろいと思っています。

学生が研究室に入ってきたキッカケは何でしょうか?

学生が研究室に入ってきたキッカケは何でしょうか?

 暗号通信に興味を示す人が多いかもしれません。授業で触れることは少ないのですが、研究室配属前の研究室紹介の時に初めて発表を聞いて、そこで興味を持ってくれて入ってきます。今の学生は、普段からインターネットを使いパスワードなどを利用しているので、暗号というとピンとくるところがあるのだと思います。卒業研究では、半導体レーザーのカオス発振する条件を調べている学生や、カオス発振したレーザーをレーザーカオスと呼ぶのですが、これを光ファイバーに通すと、どのような相互作用があるかということを調べている学生がいます。光通信では通信路に光ファイバーを使いますが、レーザーカオスの強度が強すぎると、普通の通信にまで影響を与えてしまいますから、そこをどうにかしたいと考えています。

研究の面白さはどのようなところですか?

研究のおもしろさはどのようなところですか?

 半導体レーザーを安定に発振させるための勉強をしていたら、レーザーカオスというものがあって、不安定ながら暗号通信に使おうという研究に出会いました。いっそのこと、皆が使えないと言っているモノの使い道を探すのも楽しいかなと思ってこの研究を始めました。まだ途中の段階ですが、今まで分からなかったことが少しずつ分かってくるというのは、なかなか面白いものだと思います。研究室の学生は研究を始めてからまだ1年なので、自分で知らないところを見つけて解決するまではたどり着いていませんが、計算機シミュレーションでプログラムを作ってうまく動いたとか、期待していた結果が出た時はうれしそうにしています。最近は、暗号通信だけでなく、別なことに使おうという研究にも広がっています。具体的には、レーザーカオスの性質が、人の脳の神経細胞の働きの一部とちょっと似ているところがあるので、レーザーカオスを使って、人の脳と同じような計算処理を行うような新しい計算機の作成も目指しています。

卒業後の学生はどのような仕事に就いていますか?

 まだ赴任して間もないので卒業生は多くないのですが、大学院に進学した学生のほかに、機械の製造メーカーに就職した学生と、ソフトウェアやネットワークを開発したり情報サービスを提供している会社に就職した学生がいます。カオスはレーザーだけでなく機械の中にも出てくる現象なので、情報通信分野のほかに製造メーカーでも、その辺を生かして仕事をしてくれると嬉しいですね。キーワードとして「レーザー」「カオス」「暗号通信」があるので、研究した内容を生かせる分野はいろいろあると思います。

受験生の皆さんへ  レーザーカオスを使った暗号通信を学べる大学は、日本ではあまり多くありません。始まったばかりの研究室ですが、研究室に入ってからは学会や研究会に積極的に参加して、他大学の学生と交流する機会を多く持ってもらいたいと思っています。視野が広くなるし、同じ研究をしている学生がいると知るだけでもモチベーションが高まるはずです。私が共同研究している早稲田や東京理科大の学生/院生とともに学ぶのもよいかもしれません。ここでは高度情報化時代に合った分野の研究ができます。一生懸命研究したいと思う学生に出会えるのを楽しみにしています。
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