新潟工科大学附属図書館 NIIGATA INSTITUTE OF TECHNOLOGY LIBRARY

資料紹介

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ロンリのちから/NHK「ロンリのちから」制作班 著

「最近の学生は論理性が低い」という話を耳にすることがある。そしてその原因として「今の子は本を読まないから」「新聞を読まないから」などを上げ、「国語教育をしっかりやらないと」となることが多いような気がする。しかしそういう話はいつも怪しく感じるのだが、現在の国語教育に「論理性」に関する方法論は取り入れられているのだろうか、「論理性」を鍛えることは国語教育の目標の一つとされているのだろうか。
私は「国語」の授業に対する記憶があまりないので強くは言えないが、「国語」の授業で論理性を鍛えられたという意識はない。
そもそも「論理性」と「国語」とは全く別の話ではないだろうか、「論理性」を鍛えようと思ったら、やはりそれなりの「論理教育」を行う必要があるのではないだろうかと思う。
論理性を身につけるためには、まずは論理的に考える時間を持つことだろう。「論理的に考えること」は、単純な知識を学ぶこととは違い、簡単に受け入れられるものではないので、時間をかけて作業を行う必要がある。その訓練としては、数独や詰将棋のような論理的なパズルが使えるだろう。ただし、やりすぎる、慣れすぎると思考よりも経験がものをいうようになって、あまり論理的に考える訓練にはならなくなると思う。
その次は、論理的な文章を書く訓練をするのがいいのではないだろうか。その適切な一つの例は、好きでない人が多いだろうが「数学の証明」だと思う。そして、証明を行うには、三段論法や、背理法、対偶、逆、などの論理に関する多少の知識や技術が必要となる。以前、NHK E テレで「ロンリのちから」という短いドラマ仕立ての論理教育番組が放送されていたが、三段論法、背理法などを仮想体験しながら学べるもので、なかなか優れたものであった。
本書はそれを本にしたもので、演習問題がついていないのが残念だが、読んでいくだけでそれなりに論理に関する知識は身につくのではないかと思う。しかし本当に論理性を身につけるには、知識だけではなく、実践である論理的に考える訓練と、論理的な文章を書く訓練も合わせて行わなくてはならないだろう。