食品・環境化学系

ナノ材料化学研究室

藤木 一浩教授

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1.生分解性高分子のグラフト化

プラスチック材料の廃棄処理の問題から、今後はポリ乳酸に代表される生分解性高分子の利用が拡大していくものと思われます。そこで、生分解性高分子との複合化を視野に、カーボンブラックやシリカなどのナノ材料表面へ、生分解性高分子をグラフトする反応について検討しています。

2.環境負荷の少ない合成プロセスの検討

高分子のグラフト化反応の際に、有機溶媒の代わりにイオン性液体を用いることにより、溶媒を繰り返し使用する合成プロセスや、有機溶媒を用いない乾式系による不均一系グラフト化反応プロセスなど、有機溶媒の廃液を極力少なくして、環境負荷の低減をめざした材料の合成プロセスついて検討しています。

3.ナノ材料と廃プラスチックとの複合化による機能性高分子複合材料の合成

高分子を表面グラフトしたナノ材料を廃プラスチックに分散させることにより、新たな機能を有する高分子複合材料を合成する反応について検討しています。 例えば、食品トレーをリサイクルしたポリスチレンとカーボンブラックの共存下で、アルコキシシランのゾル-ゲル反応を行うことにより、導電性の無機・有機ハイブリッド薄膜が得られることを見出しています。

4.高分子グラフト化ナノ粒子の特徴

一例として、下写真に、ポリスチレングラフト化カーボンブラックをトルエン中に撹拌・分散後、24時間静置した結果を示します。すべての粒子が沈降した未処理のカーボンブラック(右)と比較して、分散安定性に優れていることが明らかです。

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