食品・環境化学系

生物化学工学研究室

竹園 恵教授

研究室画像

研究概要

化学及び食品工業をはじめとする各種の産業分野における液体操作に伴う泡の発生は、生産効率や品質低下、あるいは環境汚染等で問題になっている。私たちの研究室では、主にバイオ分野で生じる泡に焦点を絞り、泡立ちを抑える(消す)技術、泡を生産プロセスに生かす(利用する)技術について検討を行っている。

研究内容

泡を利用したバイオサーファクタントの生産に関する研究

界面活性剤は、乳化、分散、湿潤、防錆、帯電防止など様々な作用があり、多くの産業で用途に応じて使い分けられている。ほとんどは石油由来の合成界面活性剤であるが、バイオサーファクタントは微生物の代謝機能から作りだされた天然の界面活性剤である。生分解性が高く、生物に対する毒性が低い上に、洗浄や分散能力も高い。土壌の油や重金属汚染の浄化など環境修復技術に使用しても二次的な環境汚染を引き起こす心配がない。さらに生物薬理、抗菌および保湿などの作用を発揮するものもあり、合成界面活性剤の代替品として期待されている。しかしながら、生産収量が低いことに加えて、培養液からの分離精製コストがかかることから、生産コストが高いという経済的な問題点を抱えている。私たちの研究室では、バイオサーファクタントが泡に濃縮しやすいという性質を利用し、消泡装置を備えた微生物反応器を用いて、泡層の存在下、バイオサーファクタントの生産と分離を同時に行う生産プロセスについて検討を行っている。

泡を機械的に破壊する技術に関する研究

食品、医薬品、化粧品、繊維、塗料、プラスチック、製紙など、様々な分野の製造工程で泡の発生が問題となる。界面活性物質を含む液体を扱う工程では、避けることのできない現象である。液中への気体の吹き込み、液体の撹拌、別容器への移動の際に泡が発生する。この泡が消えずに残ると、目的の作業がスムーズに進まず生産の効率が低下したり、あるいは製品の品質不良が生じたりする。泡を破壊するには、消泡剤を使用する化学的な方法と消泡装置を使用する機械的な方法がある。消泡剤は良く利用されているが、消泡剤を使用したくない製造工程も多い。そのような場合には、機械的に泡を破壊する装置を利用しなければならない。私たちの研究室では、機械的に泡を破壊する技術について検討を行っている。

企業の方へ

泡(泡沫)の発生や破壊について知見があります。泡トラブルでお困りの際はご相談ください。

実験装置

泡立ち試験装置

装置概要
泡立ち成分(界面活性剤等)を含む液体の起泡性と安定性を評価する、Ross-Miles法の試験装置(JIS K 3362-90)。消泡剤の破泡能力の評価も可能。
メーカー名
桐山製作所
用途
液の泡立ち試験
仕様・構成
ガラス製、JIS規格

メンバー

教職員

教授
竹園 恵

連絡先

生物化学工学研究室

TEL: 0257-22-8148    
E-mail:takesono@acb.niit.ac.jp
E-mailアドレスの「@」を半角に置き換えてください。

リンク

研究に関するインタビュー(受験生向け研究紹介)

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