現在、世界中で高齢化が進み、高齢者の健康管理が問題となっています。この問題を解決するために、医療・ヘルスケ ア分野では、各種生体計測センサを搭載したウェアラブル端末を人体周囲に分散配置し、体温、心電図などの生体情報をモニタリングし、健康維持・管理に役立てるシステムが提案されています。本研究室では、上記システムを実現するために、スマートセンシング技術※1を用いた生体情報計測機器の開発及びボディエリアネットワーク※2を効率的に構築可能な人体通信機器の開発を行っています。
※1スマートセンシング技術:利用できる様々な計測手段を用いて生体情報を簡便に計測し評価する技術。日常モニタリングとして利用するためには、非侵襲、無意識、そして無拘束で、いつでも、どこでも、簡単に計測できるユビキタス性が必要となります。
※2ボディエリアネットワーク:人体及び人体周辺で構築される極小規模なネットワーク。
現在多数の球技スポーツで、科学的なデータ収集による客観的な分析が行われるようになってきています。しかし、卓球競技は、他の球技と比較するとラリーが非常にスピーディーであるため、対戦相手の打球コースなどの情報収集や戦術分析の有用性は示されているものの、競技現場で活用できる分析システムの開発には至っていません。
本研究室では、上記システムを実現するために、「卓球戦術要素のリアルタイム3次元計測システムの開発」を行っています。また、各種関連研究を実施しています。
※本研究は、本学の上島慶先生との共同研究です。
生体情報の日常モニタリングでは、バイタルサイン(心拍数、血圧、体温、呼吸状態)の把握が重要です。本研究では、緑色LEDを用いた反射型の光電脈波測定から心拍数だけでなく、呼吸数も同時に測定可能なシステムを開発しています。
日常生活での長時間心電図計測は病気の予防や早期発見の面で重要です。現在、心電信号の測定にはペーストを介して導電性電極を装着しますが、煩わしいだけでなく拘束感が強く、さらに長期測定に適していません。本研究では、ペーストが不要な絶縁容量電極を用いた測定システムを開発しています。
人体通信の通信機を設計するためには、人体の信号伝送損失特性をよく理解するとともにその損失を最小化する技術が重要となります。数値電磁界シミュレーションとスペクトラムアナライザを用いた実測によって検討を行っています。
人体送信機は測定した心電図信号で搬送波を変調して電極を介して人体に送信し、受信機では人体を通過して減衰した信号を増幅・復調した後、Android端末へ無線(Bluetooth)を用いて転送します。
本研究では、高速カメラを用いて卓球ボールの卓球台上への落下位置を即時的に推定する方法論を開発しています。カラーヒストグラムとパーティクルフィルタを用いた類似度評価によってボール領域を連続的にトラッキングします。
卓球ボールは小型軽量であり、またラケットによって回転がかけやすいため、ボールに働く空気力によって飛翔軌道が大きく変化するという特徴があります。本研究では、卓球ボールの空力特性や物理運動特性を考慮した飛翔軌道シミュレーターを開発しています。本シミュレーターは、中高速カメラを用いた飛翔軌道計測による回転速度の推定やネット高さの影響解析などへの応用も想定しています。
医療・ヘルスケア分野のセンシングやネットワーキングに関する研究とスポーツ分野のセンシングに関する研究に取り組んでいます。上記研究では、主に下記の技術を用いておりますので、技術相談や共同研究をご希望される場合は気軽にご相談ください。
各種測定器を用いた電気電子特性計測
有限要素法を用いた数値電磁界解析とCFD解析
FPGAやマイコンなどを用いた電子回路開発
信号処理応用・画像処理応用
TEL: 0257-22-8129
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