電子情報学系

電力・エネルギー研究室

今田 剛教授

研究室画像

研究概要

パルス大電力技術により地球環境を改善します。
時間と電力の交換により大電力を発生するパルス大電力技術を活用した地球環境の改善に取り組んでいます。豆電球を点ける程度の電力1Wたらずで時間幅1秒の電気の積木を考えてみます。積木3つを横に並べれば、3秒間、豆電球を点けることができます。これを縦に積みかえれば、電力が3倍になり1秒間ですが豆電球は明るく光ります。さらに時間を圧縮して100ナノ秒にすると、電力は3万kWにもなり、発電所の発電量に相当する大電力を実験室内でつくることができます。このパルス大電力技術を有害物の処理に利用すると、分解が難しい物質を容易に処理できたり、環境に優しい処理が可能になります。水、大気、土壌や食料に関する色々な処理技術の開発に取り組んでいます。

研究内容

パルス大電力注入による水中微生物の処理

パルス大電力を水中に注入しマイクロバブルを大量に生成して、バブルが破裂する際の衝撃 波による水中微生物の卵や幼生の不活化処理技術を開発しています。船舶バラスト水による海洋環境汚染の防止に貢献します。

高気圧パルスグロー放電によるVOCの処理

ホルムアルデヒドなどに代表される揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound : VOC)を放電プラズマにより薬剤などを用いずに分解処理する技術を開発しています。環境に優しく、低コストの処理を目指しています。

高気圧パルスグロー放電発生装置
放電プラズマの発光

大強度パルス相対論的電子ビーム照射による有害物の処理

様々な有害物に強力な電子ビームを照射して、処理を試みています。ディーゼル排気ガス、水中微生物、土壌中のホルムアルデヒドの処理に成功しています。[長岡技術科学大学との共同研究]

大強度パルス相対論的電子ビーム照射
電子の土壌への進入

パルス大電力の計測技術の開発

パルス大電力は高電圧(数千から数百万ボルト)、大電流(数百から数百万アンペア)、極短時間(数千分の1から数百億分の1秒)の現象であるため、その計測は容易ではありません。各種計測システムの自主開発を行っています。

ロゴスキーコイル設計ソフトと校正実験1
ロゴスキーコイル設計ソフトと校正実験2

企業の方へ

高電圧・大電流が特長のパルス大電力技術の基礎、計測や応用に関する研究開発を行っています。特に、有害物処理、水処理、微生物や菌類の処理に取り組んでいます。 また、大強度パルス相対論的電子ビームの発生や応用に関する科学的(惑星探査)および工学的(有害物処理)アプローチを進めています。
上記の研究開発に供するため、以下の計測や観測に関する装置やノウハウを有しています。特殊な計測や観測が必要な際はご相談ください。

  • 高電圧や大電流の測定、特に高速な大電力の測定(ns,kV,kAオーダー)
  • 高速現象の撮影(サブマイクロ秒オーダーまで)
  • 流体現象の可視化(衝撃波や密度擾乱)
  • 光スペクトルの計測(紫外光~可視光)

実験装置

高速度カメラ

装置概要
高速コマ撮り撮影(超スーパースロー)が可能です。最速で毎秒155万コマでの撮影ができ、最小露光時間369ナノ秒の高速シャッター機能を有し精密な時間分解計測ができます。標準レンズや望遠レンズを用意しています。
メーカー名
フォトロン社 FASTCAM SA5
用途
高速現象の時間分解撮影(切削、運動、流体、燃焼、放電、...)
仕様・構成
撮影速度:50~1,550,000コマ/秒、露光時間:369ns~50ms、出力形式:BMP、JPEG、ビデオなど

パルス高電圧・大電流計測システム

装置概要
通常の電気電子計測機器では測定できないkVおよびkAオーダーの電圧や電流を計測できます。高速オシロスコープとの組み合わせで、高速パルスに対応できます。
メーカー名
日新パルス電子 EP-50K(高電圧プローブ)
ピアソン社 411C(電流トランス)
レクロイ社 44MXs(高速デジタルオシロスコープ)
用途
高速電気現象の計測(放電、プラズマ、雷、...)
仕様・構成
EP-50K:インパルス電圧70kVまで対応、10nsの立ち上がりに追従
411C:インパルス電流5kAまで対応、20nsの立ち上がりに追従
44MXs:帯域400MHz、サンプリング2.5GS/s、チャンネル数4

分光器

装置概要
紫外から可視までの光のスペクトル強度を測定できます。光ファイバ入力により観測対象から離れての計測が可能です。
メーカー名
フォトンコントロール社 SMP002
用途
発光現象の波長の同定や強度分布の把握(光源、燃焼、化学発光、...)
仕様・構成
観測波長:200~850nm、分解能:0.7~1.9nm、ファイバ長:2m

シャドウグラフシステム

装置概要
気体や液体中の密度変化現象を可視化します。高速度カメラと組み合わせることにより、音速以上で進展する衝撃波や擾乱の時間分解観測ができます。
メーカー名
セットアップ品
用途
流体現象(衝撃波や密度擾乱など)の可視化観測
仕様・構成
可視化範囲:直径70mm程度まで、光源:グリーンレーザ、外部トリガ同期:可能(要、信号回路)

メンバー

教職員

教授
今田 剛

連絡先

電力・エネルギー研究室

TEL: 0257-22-8142    
E-mail: imada@iee.niit.ac.jp
E-mailアドレスの「@」を半角に置き換えてください。

リンク

研究に関するインタビュー(受験生向け研究紹介)

研究室ガイド(PDF)

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