基礎教育・教養系

上島研究室

上島 慶准教授

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研究概要

卓球選手の競技力を客観的に分析・評価し、卓球競技の競技力向上に貢献します。
現在は、様々な球技スポーツで試合当日のプレイデータを収集・分析し、その情報をもとに戦術を組み立てたり、パフォーマンスを修正したりするということが行われています。しかし、卓球競技の場合は、ラリーが非常にスピーディーであるなどの競技特性から、試合中に記録した映像を試合後に再生・分析する方法が主流で、「なぜ得点できたか」「なぜ失点できたか」を客観的に分析できないまま、次の試合に備えたトレーニングや戦術立案がなされているのが現状です。

そこで、本研究室では、選手の競技力を数値化し、技能や戦術を分析・評価できる方法論の構築を目指しています。また、客観的な情報によって、「みるスポーツ」の普及にも貢献したいと考えています。

【飛行特性の分析・評価】

赤外線レーザー光を使用することで、選手が打球したボールの速度や入射角度、高度を定量的に収集できるシステムを構築しました。このシステムにより、試合の内容や選手の勝ったとき、負けたときの打球を即時的に分析・評価することが可能になりました。

【配球特性】

加速度計やAEセンサなどを用いて、卓球ボールが落下した際に得られる情報から、選手がどこのコースからどこのコースへどれくらいの時間間隔で打球したかを即時的に情報収集できるシステムの構築を行っています。

【回転特性の分析・評価】

卓球競技は、相手の打球に加えて、卓球台でのバウンドや飛行中の空気抵抗による回転の変化にもパフォーマンスが左右される競技です。そこで、高速カメラを用いて、卓球ボールのバウンド前後や飛行中の映像を撮影し、ボールの回転数の変化を分析・評価しました。また、卓球ボールの落下点や飛行時間からボールの回転数や回転種を推定できるシステムの構築も目指しています。

研究内容

飛行特性

赤外線レーザー光を利用して、卓球ボールがネット上を通過する際の入射角度・速度・高度を算出して、分析しました。これらの要素から選手の技能や試合内容を定量的に評価できることがわかりました。

配球特性

加速度計やAEセンサなどを活用して、卓球ボールの落下点や時間間隔を算出することで、選手が打球したボールスピードやピッチ、回転などを分析できる方法論を検討しています。

回転特性

高速カメラを用いて、卓球ボールのバウンド前後や飛行中の回転数の変化を分析しました。卓球ボールの落下点や飛行時間からも回転数や回転種を分析できる方法論を検討しています。

企業の方へ

本研究室では、卓球の競技力向上を目的として、高速度カメラやセンサ、風洞実験などを活用して、ボールの速度、回転、入射角度、空力特性、落下領域等を定量化し、分析・評価をしています。具体的には、高速度カメラとセンサを用いて、ボールの落下領域を推定する分析方法の開発や、ボールの軌道シミュレーションなどに取り組んでいます。また、過去には、ウェアラブル端末を用いた健康教育の実践なども行っています。スポーツ現場での、計測・分析・評価・指導に関して相談・共同研究をご希望される場合は、ご相談ください。

実験装置

AEセンサ及びAE用プリアンプ

装置概要
AEとは、「材料が変形したりき裂が発生したりする歳に、材料が内部に蓄えていたひずみエネルギーを弾性波として放出する現象」と定義されており、AEセンサを用いて、材料表面の弾性波を計測することで、圧力容器、ダム、建物、道路、自動車などの漏洩や腐食、変圧器の部分放電等を評価することができます。
メーカー名
株式会社エヌエフ回路設計ブロック
用途
建造物や設備、配管や材料の亀裂や摩擦摩耗、漏洩や腐食などの分析、評価
仕様・構成
AEセンサ(AE-901S):共振周波数70kHz,直径12mm×高さ40mm、防水可、防油可
AE用ローノイズプリアンプ(9913):100Hz-20MHz 40dB

高速度カメラ

装置概要
最大520万画素(2,560×2,048)で250コマ/秒、または最高速度14,000コマ/秒で撮影が可能な高速度カメラ内蔵6GBの録画用メモリーが搭載されており、撮影後にUSBケーブルでホストPCへ容易に転送することができるCマウントが標準のため、顕微鏡や内視鏡と接続することもできる
メーカー名
株式会社ディテクト
用途
動きの速い身体運動やボール等用具の解析、血流の計測や機構部品などの解析にも使用されています
仕様・構成
高速度カメラ(HAS-EF)A/D12bit カラーでの撮影可能有効画素数は530万画素、内蔵メモリタイプでで、データ出力はUSB3.0シャッター速度は最高1/1,000,000(1μ秒)レンズ、ホストPC、三脚の周辺機器付き

メンバー

教職員

准教授
上島 慶

連絡先

上島研究室

TEL: 0257-22-8213    
E-mail:kamijima@niit.ac.jp
E-mailアドレスの「@」を半角に置き換えてください。

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