学校における生徒指導課題の解決は学力向上と並んで重要な課題となっています。生徒指導上の課題の中でもいじめの問題は年々深刻となっています。そこで、当研究室では学校生活の大部分を占める授業に焦点を当てて、有効な指導法を明らかにしていきます。一方、体罰や児童虐待などの人権問題についてもどのような取組が有効か、実際に各学校で取り組まれていることを調査する中で明らかにしていきます。
当研究室では
(1)いじめ問題と生徒指導に関する研究
(2)深刻な差別と人権教育の在り方に関する研究
をテーマにしています。
2011年(平成23)に大津市で中学2年生の生徒がいじめを苦に自殺した事件が起こり、これを機に2013年(平成25)、いじめ防止対策推進法が成立しました。この法律によっていじめの禁止やいじめ防止に向けた国や地方公共団体、学校等の責務が明記されました。しかし、その後も依然として学校におけるいじめ問題は深刻な状況が続いています。また、暴力行為の発生件数や不登校児童生徒数の増加など生徒指導上の問題は学校教育における大きな課題となっています。そこで、これらの課題解決に向け、学校における教科指導や特別活動等の授業でどう取り組むか、主として授業実践を中心にして研究を進めます。具体的には、教師と児童生徒の人間関係、あるいは児童生徒間の人間関係をより円滑なものにしていくためにはどのような指導法や指導過程が有効かを明らかにしていきます。
教師による児童生徒に対する体罰や家庭における児童虐待などの人権問題も深刻です。子どもの人権問題は日本においては女性に次ぐ2番目に位置する人権課題となっています。これらの問題解決には教師の研修の在り方、学校と保護者・地域との連携の在り方を検討することが大切です。小中高等学校においては各学校段階でどのような研修や連携が行われているのか、実際の取組を調査する中で有効な取組の在り方を明らかにしていく計画です。具体的に研修については受容力について、連携については高校生の中途退学問題についてそれぞれ焦点化して研究を進めます。
TEL: 0257-22-8169
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