5月29日（水）4限に、産学協同科目である｢産業と大学｣「産業探究」において、オフィス ケン デザインの川﨑和寛氏からご講演いただきました。

　川﨑氏は本田技研工業株式会社で製品デザインを担当し、HONDAブランドのバイクデザイン、バイク用ヘルメット、装備用品の技術開発などを担当されていました。また、F1レーシングカーのヘルメットの開発も担当し、1990年にはアイルトン・セナ選手がレースで着用するヘルメットの制作を担当し、選手が絶対の信頼を置く技術者として、F1チャンピオン獲得に貢献した経験を持っています。

　講演では、「ヘルメットデザイナーを通じて経験したヒトと技術の関わり」と題し、二輪車のヘルメット開発の難易度とものづくりの着眼点、F1専用ヘルメットの開発における技術の追求にまつわる話を軸に、社会で必要とされるモノを作るときの着想についてお話しをいただきました。

　また、ヘルメットの開発に留まらず、雲仙普賢岳の噴火災害への物資支援や、訪問介護用の超軽量分解型浴槽の開発にも携わった経験から、専門分野以外でも自分の強みや持ち味を活かすコツや、日常生活から新たな着想を得る大切さについてもお話しいただき、これから自分の専門分野を掘り下げて研究活動を行う学生にとって、研究の視野を広げる貴重な機会にもなりました。

　受講した学生からは、「強みと個性と自信、そしてブレない姿勢というキーワードがとても印象的だった。」「自分の得意分野を問わず、他分野からの知識・経験を知ることで、新たな視点で物事を認識でき、自身の学びになると思った。」といった感想があり、所属する学系に関わらず、自分の目標を探し、目指すための大変有意義な講演となりました。