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> 事業概要(産業界ニーズ教育事業)










 
新たな科目の開発
  就業するために必要な専門力と人間力(挑戦力、創造力、コミュニケーション力)を育成するため、
本学の設立の経緯を活かし、従来の教育科目以外に、産業界と連携する科目を開発し、社会的・職業的自立のための
教育体系を構築してきた。
   
  具体的には、本学の目的である「地域産業界に貢献できる人間力を備えた実践的ものづくり技術者を育成する」ために、
1年次から専門力の修得と人間力の形成の融合を明確にし、4年次の卒業研究にシフトできるようにキャリア形成の
理論科目・実践科目を配置したカリキュラムを作成した。
   
これまでの具体的な取組結果
  (1)キャリア教育トータルシステムを構築・実行した。
    具体的には、就業するために必要な専門力と人間力(挑戦力、創造力、コミュニケーション力)を育成するため、
    専門教育、教養教育、就業教育を体系的に行う教育システム)の確立にあたり、入学から卒業につなげる、
    体系的なカリキュラムとシステムを構築した。

    ①キャリア形成講義を正課として導入し体系的なキャリア教育を実施した。
     平成23年度は試行として158人が取り組んだ。

    ②企業OBを特任教授に任用し、実践的なキャリア教育を実施している。

    ③「工学プロジェクト」を正課として実施した。
     企業人が大学に出向き、学生が1日社員としてグループワークを行う。企業から与えられた課題を学科学年混在グループ
     で解決し、社会的・職業的自立のために必要とされる能力を身に付けることを目的としている。
     平成23年度は試行として3課題に18人が取り組んだ。

    ④PBL実習を実施した。
     PBL(Project Based Learning)を通して、学生の人間力(挑戦力、創造力、コミュニケーション力)を育成した。
     平成22年度は6課題に32人が、平成23年度は11課題に60人が取り組んだ。

(2)企業の実務家と連携(産学連携)し、実践型カリキュラムを開発した。
    社会的・職業的に自立した人材を育成するにあたり、産業界の意見を反映した実践的科目を導入するため、
    企業人4人をカリキュラム開発委員に委嘱し、前述の特任教授(企業OB)と共に意見を聴きながらカリキュラムを開発した。

(3)キャリア教育トータルシステムの取組に伴い、入学から卒業までの自己の成長を実感するために人間力の自己評価を行った。
    時間を掛けずに自己評価できる評価方法(システム)を開発した。

(4)入学から卒業までの大学における取組を学生に認識させると共に体系的な学生指導を可能とするために、
     キャリアポートフォリオシステムを開発し、導入した。
    全学年で利用可能なシステムであり、教員と学生双方向のやり取りが可能。

(5)卒業生の人間力や専門力形成の調査を行い、調査結果を分析し、実践型カリキュラムへ反映した。
    卒業生の全就職先と全卒業生に対し、人間力や専門力形成能力の重要度と達成度について調査を行い、
    また、新入生や卒業時の4年生に対しても同様に調査を実施した。
    その結果データを分析し、実践型カリキュラムに反映させている。
 
これまでの本学では
  平成7年の開学時から学部3年次生を対象に「インターンシップ」を正課科目として導入し、産業界と連携を図りながら取り組んでいる。
毎年、在籍学生の約半数(100人程度)が参加し、主に地元中小企業を中心に、2週間の実習を行っている。

インターンシップの目的は、実社会のものづくりの現場に触れ、大学で学ぶ工学知識との関連を知るとともに、将来の職業選択の参考とし、
今後の学習の方向性を認識することである。
   
これまで行ってきた産業界のヒアリングでは
  「”修羅場”(頑張らなければ越えられない壁)を経験させ、それを克服し達成感を得られるようなことが必要である」との意見や、
「漠然と参加するのではなく、日本で働く意味や震災などの状況を踏まえた上で、ものづくりに携わる者として社会を支える立場
であることなどの職業観と認識させる内容を盛り込んでほしい」等の意見があった。
また、特に「学生時代からグローバルな視点で物事を見る癖を付けさせることが重要である」という意見が複数の企業から出た。
これらの産業界のニーズを踏まえたインターンシップ科目の改良が必要になってきている。
   
本事業では
  産業界のニーズに基づき従来のインターンシップ科目の実施形態・課題内容の見直しを図ると共に、他のキャリア科目の改良を含めた
構造化を行うことで、これまでの学びを活かした、より実践的なカリキュラムを構築していきたいと考えている。
本学の支援組織である「新潟工科大学産学交流会」は、本学の設立当初からインターンシップを始めとして教育面でも支援を得ている。
この「新潟工科大学産学交流会」や、新潟県内の企業団体である「新潟県中小企業団体中央会」と連携することにより、
新潟県内企業を中心に、より密接な関係で産業界のニーズの把握を行う。また、本事業において、グループ内の他大学との連携により、
情報の共有を図るとともに、共通化された尺度で学生の成長を検証することとしたい。
さらに、学生にはキャリアポートフォリオを活用し、自己の成長を実感させ、常により高い目標に向かって学修に取り組む指導していく
体制整備も必要である。
なお、本事業の達成により、キャリア科目群における新しいインターンシップ科目と関連科目の構造化が図られ、産業界のニーズを
取り込んだ自律的人材育成の仕組みが完成する。

これらを踏まえ、本事業においては以下のことを計画している。

(1)インターンシップ科目および関連科目の構造化
    新しいインターンシップ科目の検討と関連科目の実証を行い、キャリア科目群におけるインターンシップ科目と関連科目の
    構造化を図り、社会的・職業的に自立した人材を育成する。

    ①インターンシップ科目の実施形態・課題内容について検討し、展開していく。
     (課題解決型インターンシップや海外企業でのインターンシップの実施、評価等)

    ②工学プロジェクト(学内企業実習)の科目を実施し、検証を行う。

    ③PBL実習の科目を実施し、検証を行う。

    ④企業人講演科目について、産業界のニーズを踏まえた事業計画に基づいて実施し、検証を行う。

    ⑤初年次導入科目の全学の共通化について、検討・改善を行う。

(2)キャリアポートフォリオを中心とした人間力の評価と成長の支援
    構造化されたインターンシップ科目・関連科目の修得による学生の成長を、キャリアポートフォリオシステムの活用に
    よって評価する。

    ①キャリアポートフォリオシステムにて目標を設定し、活動を振り返ることにより、成長を実感させる。その上で、
     人間力の自己評価シートの検証を行う。

    ②キャリアポートフォリオシステムの効果的な活用にあたり、学生・教職員への研修会を行う。

    ③活用したうえでのシステムの課題を抽出して、機能改善を図る。

(3)産業界のニーズに関する体系的情報収集

    ①企業の実務家からなるキャリア科目改善委員会と連携し、各科目の実施形態・課題内容の見直しを行う。

    ②企業を訪問したり、企業との交流会に参加したりし、積極的に産業界のニーズを探る。

    ③企業に対してアンケート調査を企画・実施する。

    ④新入生、卒業生、インターンシップ参加学生、キャリア科目参加学生等に対するアンケート調査を企画・実施する。

    ⑤各種アンケートの結果を分析し、インターンシップ科目および関連科目の構造化のための資料とする。

(4)教職員研修、ワークショップの開催

    ①教職員が学生を指導する上で、企業等で積極的に導入されているコーチングのスキルなどを取入れするための
     教育改善研修を企画・実施する。

    ②他大学への訪問や教育フォーラム等に参加し、他大学等の取組を学び、本事業の改善を図る。

(5)本事業の取組についての情報発信
    産業界のニーズを積極的に得るため、本事業の取組をホームページや各種印刷物等を活用して積極的に情報を発信する。

(6)事業評価の実施
    外部評価委員会を開催し、本事業の点検・評価を行い、次年度の取組に反映させる。
 
 
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