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【コラム】新型ウイルス感染症対策と空気の流れについて(3)
その(1)で書いた通り、いわゆる「3密」を避ける行動の一つが、「人の密度を下げる(互いの距離を1、2m程度空ける)」というものです。
1mと2mとはずいぶん差がありますが、どれくらいの違いがあるのでしょうか。興味深いシミュレーション結果が報告されていますのでご紹介します。
当センターでも導入しているCAEソフトウェアを開発するANSYS(アンシス)は同社Webサイト内で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するための参考として、顧客およびパートナーによるシミュレーション結果を公開しています。
これは、咳(マスク無し)によって発生する飛沫の粒径や放出速度を仮定して、その移動の軌跡をシミュレーションしたものです。咳によって発生する飛沫はかなり遠くまで広がっていることが分かります。
1m離れた場合、飛沫が向かいの人の顔、首、衣服に広がっていますが、2mでは、重力によって飛沫は地面に引き寄せられるため、向かいの人に到達する量は圧倒的に少なくなっています。
すなわち、互いの距離が1mから2mになることで、感染リスクが大幅に減少していることがわかります。
なおこれらのシミュレーションは、特定の状況下での物理的な挙動を再現するようにデザインされたもので、必ずしも医学的な根拠があるものではありません。またその場所を吹いている風や温度、湿度などの環境要因は考慮されていませんのでご注意ください。
今後も新型ウイルス感染症対策と空気の流れについて、情報を発信をしていきたいと思います。