
電子情報学系知能情報システム研究室
中村 誠教授
NAKAMURA Makoto
法律をことばとしてとらえ、その問題をコンピュータで解決しています

知能情報システムとはどういう学問ですか
知能情報システムというのは、人間が持っている知的な情報処理をする仕組みをいいます。これを模倣して、コンピュータによる実現を目指した研究です。特に、人間のことばをコンピュータに理解させるための研究分野を自然言語処理といいます。私はその中でも法律分野の研究をしています。法令文は長く独特な言い回しが多く、わかりにくいと感じている人が多いものですが、図に表したり語釈文を加えたりして、難解な法律を理解するために助けになることを目指しています。

具体的にどのような場面で使われますか
大きく分けて二つの場面があります。一つは先ほど言ったとおり、法令を読む人を支援するものです。法令文を要約したり、図解したりして読みやすい形で提供します。もう一つは法令を書く立場を支援するものです。日本には約1,700もの地方自治体があり、それぞれが国の法令に相当する条例や規則を定めています。大きな自治体もあれば、条例を書くのに人手が足りない小さな自治体もあるわけです。これを支援するためにどうすればよいのかを考えています。

難しいところはどんなところですか
二つあって、一つは法律の仕組みを理解した上で、問題点を探らなければいけないことです。二つ目は、法律の面からではなく、情報工学やコンピュータの面から見て問題を発見しなければいけないことです。法律や政治そのものに関する問題点は、私たちの分野ではありませんから、あくまでも情報工学の視点で、コンピュータでできる問題解決をしなければいけません。そのために、法律についてある程度知識を身につけて、それをコンピュータで処理できるように情報工学を学ぶ必要があります。法律と情報、両方を理解していないとできないところが難しいと思います。
おもしろさや、やりがいを教えてください
コンピュータに人間のことばを理解させる研究は、現在とても注目されています。日本語入力やグーグル等の情報検索、機械翻訳など、パソコンを使っている人には馴染みのある学問だと思います。その中の法令に特化しているわけですが、民法や借地借家法、ガス・電気事業法など、意外にも法令は自分の生活に直接関わっていることに気づくでしょう。マニュアルや保険の約款、特許などに応用することもできるおもしろさがあると思います。
受験生の皆さんへ | 「やりたいこと」「好きになったこと」、あるいは不本意でも「やらなければいけないこと」を突き詰めて、今やっておくと、必ず自分の糧になるはずです。今、やらなければいけないことを一生懸命してほしいです。真面目でおとなしい印象の学生が多いですが、これから活発な面が見えるのではないかと期待しているところです。これからは新潟県特有の条例や規則などを調べ、システムを作り上げたいと思っています。一緒に学んでいける皆さんに会えるのを楽しみにしています。 |
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