ものづくりに夢中な先生07
食品・環境化学系
生物化学工学研究室
竹園 恵教授
誰もが地球環境への配慮を意識しなければならないのが現在の社会だ。竹園恵教授は、学生時代に「泡」を破壊する研究で学位を取得、現在は微生物を使って界面活性剤を効率よく作る研究に取り組んでいる。地球に優しい環境を作りだすのも工学の一分野であり、社会に求められている学問だという。学生時代に研究室で出会った、ひとりの先生から聞いたキーワードが「微生物」。可能性に満ちた研究を始めるきっかけとなったその人が、同大学の小野寺正幸先生だというから縁は不思議だ。
バスケット部に所属し、部活に打ち込んでいた中学高校時代。上達を実感し、楽しく過ごしていた高校2年の秋に、部活動を辞めることになったそうだ。まったく勉強しない息子の将来を心配した、中学教師だった父親に説得されたのだ。納得いかなかった反動なのか、部活動を辞めても勉強に身が入らず、結局浪人することになったという。翌年、入学することになったのが新潟大学工学部の化学工学科だった。普通科出身の学生には馴染のない分野、どうしてもこれが勉強したいというわけではなかったと笑う竹園教授だが、そこで出会った学問を長く続けることになる。
転機が訪れたのは、2度目の挑戦で合格した大学院に進んでからだ。明らかに後れをとっていたため、ひたすら実験を繰り返し、データの収集に時間を費やしたという。そこで、実験から生まれる新しい何かをつくりだすおもしろさを知ることになった。実践の中で身につけた知識でディスカッションを行う中、「教授は一生懸命さだけを認めてくれたのかもしれない」と竹園教授は振り返る。卒業後は、企業への就職も決まっていたが、教授の誘いを受けて博士課程に。勉強一筋ではなかったからこそ、見えているものがあるのかもしれない。今や、企業の信頼を得て商品化を実現してもなお、新商品に向けた共同研究に取り組む毎日だ。学生たちの興味も止むことはない。
Interview
学生インタビュー
授業で図を使って進めてくださるのでわかりやすかったのと、研究室紹介で初めて聞いた「微生物」におもしろさを感じて竹園研究室に入りました。先生はひと言でいうと、優しいというのが一番です。僕らに合わせて研究を進めてくれたおかげで、就職活動と研究の両立ができて感謝しています。最近は、とても忙しそうなので、しっかり休んでほしいと思っています。