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ACADEMIC RESEARCH

研究に関するインタビュー

TOP > 研究に関するインタビュー > 生物化学工学研究室 竹園 恵 教授

竹園 恵 教授

食品・環境化学系生物化学工学研究室

竹園 恵教授

TAKESONO Satoshi

日常生活に有用なものを作り出す微生物、さまざまな業界が期待し、共同開発も進行中

研究の内容を教えてください

研究の内容を教えてください。

 主に、洗剤の主成分である界面活性剤を微生物で作りだす研究をしています。界面活性剤は、汚れを落とす役割がありますが、現在は化学反応を利用して人工的に作っています。微生物の助けによって作ることで、水や土壌を汚染することなく、自然環境で安心して使用することができるようになります。馴染みは薄いかもしれませんが、環境に優しい物質を作り出すのも工学の一分野、これからの社会に必要とされている研究です。

微生物の研究で難しいのはどのような点ですか?

微生物の研究で難しいのはどのような点ですか?

 研究室の学生と一緒に、日々取り組んでいますが、生きているものなので、時間に関係なく観察を続けなければいけません。遅い時間になることもあるし、時には徹夜ということもあります。また、微生物と言っても種類はさまざまです。目的とする微生物と他の微生物が混ざってしまうと、それまでの研究成果は無駄になります。研究室で使用している微生物は酸素を必要とするため、空気中に含まれている他の微生物が混入しないように、細心の注意を払っています。

難しそうな研究ですが、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

難しそうな研究ですが、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

 苦労した分、増やした微生物から界面活性剤がきちんとできている、という良い結果が出た時の嬉しさは格別です。実社会に出てからは同じ内容の研究を行うことはないかもしれませんが、味噌、醤油、酒、他の発酵食品など、微生物を扱う職業分野は多くあります。研究室での経験と知識が、将来活かされると思うと、さらにやりがいを感じることも多いのではないでしょうか。

今後の展望や夢はありますか?

 界面活性剤の研究はこのまま続けていきますが、最近では、経済産業省の実施する「戦略的基盤技術高度化支援事業」に選ばれた研究を民間企業と共同で取り組んでいます。これは塗装における余剰な塗料と大気汚染物質の処理の課題を、泡と微生物の力で解決しようというもの。3年後の実用化に向けて具体化しています。実現すれば、塗装業界はもちろん、新潟工科大学としても画期的な事例となるはずです。

受験生の皆さんへ  何かに挑戦するつもりで入学してください。言われたことだけではなく、自分から何かをしようとする気持ちが大切です。新潟工科大学では、今年度から工学科という大きなカテゴリーで入学し、広く学び、その中から自分に合った専門分野を見つけていくスタイルになります。積極的に好きな分野を追究できるチャンスです。
 大学の4年間は案外短いもの。自ら調べたことや経験から得た知識は、自信につながります。多くのことに興味を持って知的好奇心を刺激し続けてください。
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