ものづくりに夢中な先生06
建築都市学系
都市環境・風工学研究室
富永 禎秀教授
2018年3月、新潟工科大学の研究力と発信力をさらに高めるべく「風・流体工学研究センター」が開設。風や雪など地域の自然特性が及ぼす建築物への問題の解決とその人材育成を目指すセンターの存在は、自治体や企業からの期待も大きい。センター長として学内外に活躍の場を広げているのが富永禎秀先生だ。建築の中でも建築都市環境工学と呼ばれる分野、中でも特に空気の流れ(=風)に注目し、建物・都市と空気の流れの関係を研究し続けている。大学時代に恩師の研究テーマだった「地域の気候に適した建築」を知り、実験方法も含め新しさに魅力を感じたのが原点だ。
「父が技術者だったこともあり、工学の道に進む」といつの間にか決めていた。文化的要素や地域特性が関わってくる建築分野を選んだのは幅広く学べて色々と面白そうだと思ったからだ。大学生になり建築を学び始めた富永先生が思ったのは、生まれ育った豪雪地域で、雪下ろしをしなくていい家が作れないかということだった。建築を学んで地域に貢献したいという思いが生まれた。東京の大学院から戻り新潟工科大学の教授として今、その思いが少しずつ現実になっている。センターが開設され、企業との共同研究も増え、特許出願に至った事例もあるそうだ。
東京から戻ったからには地元の役に立ちたいと、風・雪・砂など地域の自然環境に目を向けた研究テーマに取り組んだところ、世界中に同じような問題が存在することに気付いた。それがきっかけとなり、世界中に研究のネットワークが生まれたというから面白い。この繋がりを学生の研究にも生かしたいと考えており、学生にも海外に目を向けてほしいと願っている。富永先生の研究室では、報告・連絡・相談を徹底し、責任を持ってプロジェクトに取り組む。社会に出てから必要なものの見方・考え方を身に付けてもらうことが狙いだ。富永先生は研究者として人として成長できるステージを用意してくれている。
Interview
学生インタビュー
僕はビル風を弱めるための建物の配置や形状を研究しているのですが、富永先生は博識で何でも丁寧に教えてくださいます。企業との繋がりも強く、インターンシップ先も紹介していただきました。新型ウイルスの影響で大学に来られない時に先生がパソコンを貸してくださったのは本当に有難かったです。卒業してもきっと先生に会いに来ると思います。