ものづくりに夢中な先生09
食品・環境化学系
食品機能解析学研究室
久保田 真敏准教授
日本人の食生活に欠くことのできない米、その栄養成分の中でもタンパク質に注目し、20年近く研究を続けているのが食品機能解析学研究室の久保田真敏准教授だ。幼い頃から興味のあった生物系の勉強をしたいと進学した農学部には、遺伝子や酵素、食品の旨味成分や健康機能など、生物学の応用である研究の数々があった。そこで、米のタンパク質が人の体にどんな効用をもたらすかという、現在の研究に出会う。時間をかけ導いたのは、糖尿病の抑制と合併症予防の効果だった。
単科の工学部の中に、食品系の領域を置くという新しいアプローチに面白さを感じて新潟工科大学の教員に。今春初めて研究室から送り出した卒業生も、現在一緒に研究を進めている学生も、一様に熱心で真面目で「巡り合わせが良かったのかな」と笑うが、ものづくりの楽しさが学生に伝わったのは、久保田准教授の豊富な知識と経験があってこそのはず。学生が行った実験で、予測通りの結果が出なくても決して否定しないのは、自身も常にそうだったからだ。どんな実験結果でも咎めなかった恩師がいたことが、研究者としての今に繋がっている。
勉強とスポーツに力いっぱい取り組んだ中学時代の夢は医者になることだった。だから健康な体に必要なものを追究しているのかもしれない。新潟県は米どころで、食品工業も盛んだ。久保田准教授は、米の研究成果を活用できる道が多いと考え、他県をリードするような取り組みを目指している。いつかは、米のタンパク質を素材にした製品を世に出すのが夢だという。学生たちの好奇心を味方に研究を進め、新潟と日本の米の消費量回復に貢献できる日が来るのが待ち遠しい。
Interview
学生インタビュー
とても丁寧に、いろいろなことを真剣に教えてくださる先生です。今、英語の論文を訳しているのですが細やかにアドバイスしてくださるし、食品について役に立つ雑談も聞かせてもらえます。就職のことも考えて、食品について勉強したいと思ったタイミングで、優しい久保田先生の研究室ができて本当にラッキーでした。