
機械システム学系IoTソフトウエア工学研究室
堀 雅和教授
Hori Masakazu
スキルを身につければますますおもしろくなるPoC、
学生のアイデアを生かして地元企業との連係を目指します

研究の内容を教えてください
IoTシステムを企業が開発しようとした場合、システムが提供する機能を開発するだけでなく、収集するデータに関するさまざまな課題、例えば、収集したデータで何がわかるのか、精度はどうなのか、そもそも必要なデータはあるのか、などといった課題を解決する必要があります。そのため開発を開始する前段階として開発しようとしているシステムのコンセプトや技術の実現可能性の検証を行うのですが、これをPoC(Proof of Concept=概念実証)といいます。私の研究室では、大学の特性を生かして、最終のシステム開発というよりアイデアを出してプロトタイプを試作するPoCを対象として研究に取り組んでいます。私はソフトウエア工学が専門なので、IoTの可能性が狭くならないように、ハードウエアのところは他の専門の先生と一緒に取り組んでいけたらと考えています。

研究の魅力は何ですか
インターネットはコンピュータとコンピュータを繋げるというイメージでしたが、IoTにより、センサーを始めとする実世界のさまざまなモノが繋がるようになってきています。これまでは、システムというとコスト削減等の効率化を目指して開発されていましたが、例えば高齢者が幸せになるとか、新しい楽しみ方を追究するとか、発想の次元が変わってきています。どう効率化するかではなく、こういう幸せを実現したいよねというところから技術を使うというようになっています。より身近なところにも活用できて、世の中の役に立てる仕組みを追究できる魅力があると思います。

学生に期待することはありますか
学生に期待するのは、既成概念に捉われないアイデアです。IoTにより付加価値をつけたいと相談を受けて、学生がアイデアを出し、システムを作り出せれば企業と一緒にPoCができるかなと考えています。プログラミングをやってみたいという学生を巻き込んで、研究のための研究というよりは、学生、大学、地元企業との連携を目指します。企業が作ったものづくり大学ということで、卒業した後も誇れるような大学生活をすごしてほしい。そのためにも、教員として研究のおもしろさや成功体験を伝えられたらと思います。
卒業後の進路について教えてください
IT系企業と限定しなくていいと思います。例えば工場では、機械や電気回路のセンスと同時にソフトウエアの力が必要というシーンが結構あります。ソフトウエアだけ勉強してきた人は、ハードウエアも一緒に考えるとか設計しなさいと言われると、その時点でできませんとなります。工学基礎全般を学べるこの大学の学生はそこの拒否反応が低いはず。ソフトとハードを理解して取り組めるので、業界が限定されないと思います。
受験生の皆さんへ | 今のうちに、まず何かひとつ興味のあるものに打ち込んでほしいと思います。次にいろいろなものに関心を持つことでセンスは磨かれます。深い所と広いところのバランスは大切です。その中でこんなものがあればいいと考える時間が増えると研究脳になっていきます。高校と違って、大学はいろいろな経験ができます。自分がやりたいことができる大学を選んでください。新潟工科大学は工学を学問というより実学として捉えているので、実社会で役に立つ勉強や体験ができる環境を用意してあります。興味のある人はぜひ来てください。 |
---|---|
研究室情報 | 教員紹介 研究分野・テーマ 研究業績等一覧 |
関連するSDGs | ![]() ![]() ![]() |