
機械システム学系信頼性デザイン研究室
岡崎 正和教授
OKAZAKI Masakazu
可能性が尽きないジェットエンジンの材料を追究するために、一流の疑問を持つことが大事

研究の内容を教えてください。
飛行機のエンジンの材料と構造をどう作るかということと、エンジンの熱をどう利用するかということを研究しています。飛行機のエンジンは燃焼ガスの温度が1,700℃というとんでもない温度になるため、ほとんどの金属は溶けてしまいます。そこをナノテク技術の応用で特殊な材料に仕上げていますが、それでももたないため冷却しながら使っています。いわば、高温にしなければエンジンは効率良く動かない、その一方で強さを保証しながら冷却しながら使用しないと壊れる、そういう矛盾点の解決を目指すものです。

研究の魅力は何ですか
ナノテク技術の集まりで付加価値が高い航空機の材料は、ジェットエンジンの命です。エンジンの開発費の4割が、材料の開発費だと言われています。最近では、SDGsの観点から、ジェットエンジンによる二酸化炭素の低排出化にも注視しなければならなくなりました。水素など新たな燃料に対応した材料の開発も急がれています。次々と課題が出て来るわけですが、世間の人たちにどう使ってもらうのがよいかを提示するところに工学の出口があると考えています。学術的に出てくる矛盾点は難しいけれどおもしろいところでもあります。矛盾点を解決し、実際に役に立つものを開発しているのが一番の魅力です。

学生に期待していることはありますか
学生には自ら考えさせることを大切にして、なるべく答えは言わないようにしています。まずは思っていることを言葉にしてもらっています。学生はずれた発想をすることもありますが、それが大事で、そういう発言に期待しています。若者の特権のようなもので、柔らかな発想や疑問を大事にしたいと思っています。授業でも学会でも、どんどん疑問を投げかけてください。
卒業後はどんな分野で活躍できますか
ジェットエンジンに携わる企業の裾野はとても広いものです。ここで学んだことが活かせる職場が必ずあります。製造業という視点で見れば、たまたま自動車や航空機かもしれませんが、学んだ知見を活かせる職場が多くあります。まずは自分が目指す道を明確にしておきましょう。
受験生の皆さんへ | 大学で学ぶのは結果ではなくプロセスです。勉強すれば知恵は身につきますが、疑問を持たなければ知恵にはなりません。私は、「難しい積分公式も工学のこういう場面で役に立つんだよ」と、出口を示すように講義をしています。それは、世の中の役に立つ工学であるためです。高校生の皆さんも、当たり前だと思わずいろいろなことに疑問を持ってください。新潟工科大学は、企業がつくった大学です。このメリットは企業のニーズが明らかに見える大学だということです。世の中の役に立つ工学であるための土壌ができている大学です。ひとつひとつ疑問を解決しながら、工学のおもしろさを見つけてほしいです。 |
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