無人駅のリノベーションが実現 ―JR石地駅でオープニングセレモニー―
卒業設計が具現化。「JR越後線石地駅111th anniversary リノベーションプロジェクト」のオープニングセレモニーが11月10日(金)、柏崎市内のJR石地駅で行われました。
このプロジェクトは建築都市学系の卒業設計をもとに、地域との関わりを学び、得られた成果物を地域に還元することで地域への愛着を育むことを目的としており、セレモニーには設計に関わった卒業生や学生のほか、共同で取り組んだJR東日本新潟支社、柏崎市立内郷小学校5,6年生の児童、保護者、近隣住民などが参列し、報道機関も多数訪れました。
式典では始めに、本学の大倉正寿理事長と内郷小学校の高橋晴美校長が挨拶。次いで駅名標など制作物の除幕が行われました。
大倉理事長挨拶 | 駅名標と外壁の除幕 | |
窓枠と椅子の除幕後 | 本学卒業生(修了生)藤本大賀さんの挨拶 | |
参加者全員で記念撮影
〔プロジェクトの概要・経緯〕
・2021年3月、当時学部4年生の藤本大賀さんによる卒業設計、柏崎地域の無人駅を題材とした「そのとき、ここにて、おもう -柏崎地域無人駅15空間の再構築-」が、JIA新潟卒業設計コンクールで銀賞を受賞。その後、JR新潟駅直結の商業施設内シェアスペース「MOYORe:」やJR柏崎駅等での各種展示等を経て、JR東日本新潟支社と本学で意見を交わしながら企画を進め、内郷小学校とともにそのうちの1つを実現していくことになりました(藤本さんはその後、本学大学院に進学し、2023年3月に博士前期課程を修了)。
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JR新潟駅 MOYORe:での展示 | 柏崎市文化会館アルフォーレでの展示 | |
・2023年度、内郷小学校5・6年生の年間を通じた総合的な学習の時間において、当該卒業設計製作過程の追体験を取り入れ、地域との関わりを学びながら得られた成果物を地域に還元することで、地域への愛着を育む学習内容で取り組んできました。
関連記事3(外部リンク)
・JR東日本長岡営業統括センターによる出前授業やJR長岡駅見学等で、児童は、身近にある鉄道について多くの知識を学びました。
・JR東日本新潟建築設備技術センターと本学が中心となり、計8回のワークショップを実施し、児童とともに3要素(椅子、窓枠・駅名標、駅舎外壁)について、アイデア抽出・デザイン検討を進めてきました。
・これらの集大成として、制作した3要素及び駅舎外壁を石地駅に設置し、11月10日(金)にオープニングセレモニーを開催、石地駅開業111周年の11月11日(土)に花を添えることとなりました。
〔3要素について〕(1~3は本学、4はJR東日本新潟支社が制作)
1.椅子
・窓枠から見える景色を最適な視野角で見ることができるような位置に、1脚の椅子を新規で作成配置。
・新規の椅子は、親子が同じ目線で景色を見ることができるような仕様。
2.窓枠
・ホーム先に見える景色を窓枠にフレーミングすることで、自然の風景画のように、四季を通じて鑑賞することができるようにした。
・窓枠には児童と大学生が共同で模様を彫りこんだ。
3.駅名標
・石地地域をイメージした形状の駅名標で、素材は地域の山で伐採された杉を使用。
・駅名には、児童が集めた地域の石を詰め込んだ。
4.駅舎外壁
・文字のモザイクアートで外壁へ『地域参加型デザインアート』を制作。内郷小学校の地域の方々、プロジェクト関係者に対して「石地駅への想いや思い出」「地域や大切な人への感謝の言葉」をテーマに募集したメッセージを掲載。
セレモニー終了後、藤本さんやプロジェクトを主導した倉知徹准教授は、記者の取材に応じていました。