工学部・大学院

Faculty of Engineering / Graduate School

教員メッセージ

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笹川圭右 教授機械システム学系 バイオメカニクス・UD研究室

笹川圭右 教授
Q バイオメカニクス・UD 研究室ではどんなことを研究していますか。

生体組織・構造・機能の解明にシミュレーション解析を適用して、安心安全な医療の実現に取り組んでいます。バイオメカニクスは、生物の構造や運動を力学的に調べる学問です。研究成果はヒト型やヘビ型などのロボット開発、スポーツでの成績向上、モーションキャプチャーなどさまざまな分野に応用されています。医療では、バイオメカニクスに基づく研究成果が数多く生かされ、医療技術の高度化や先端治療の実現に応用されています。

Q 研究室はどんな雰囲気ですか。

学生は、基本的に1人1テーマで研究していますが、他のメンバーがやっていることも把握してもらい、皆が協力して研究している雰囲気づくりを心がけています。最近はエンジニアもチームワークが求められるので、普段の食事会はもちろん、卒業研究テーマの中間発表前には泊まり込みで合宿を行うなど、コミュニケーションを大切にしています。

本棚の写真
Q 以前から大学院生が多く在籍していますね。

博士前期、後期課程とも学生がいて、留学生もいてバラエティーに富んでいます。院生がいることによる学部生への影響は大きく、その意味でも大学院への進学者が増えてくれるとよいと考えています。卒業後は金属加工の企業に就職する学生が多いのですが、過去には博士後期課程を修了し、シミュレーション解析の技術をもって、共同研究していた企業に就職した女子学生もいます。

学生が研究をしている風景
Q 大学院に進学する意義は何でしょうか。

学部はすでに確立された学問を中心に学びます。卒業研究は、まだ解明されていない問題を解き明かそうとする研究の序章にすぎません。先人が誰も知りえなかった問題を解き明かすには、最低でも博士前期課程で2年間、できれば博士後期課程まで5年間が必要と考えます。または企業に就職してから大学院で研究を続ける選択肢もあります。やりたいことを突き詰めるためには、大学院に進学することが不可欠です。

解析結果を表す写真
Q どんな学生に来てほしいですか。

パソコンに向かって作業する時間が長いので、パソコンが好きな人に向いていると思います。これからのエンジニアは、様々な分野を広く知った上で専門を生かすことが求められています。私自身、化学から始まり、生物、生化学を学んだ上で工学を教えているので、その必要性は身をもって感じています。

学生たちが笑っている
Q 今後の目標を教えてください。

整形外科の医師は診察や治療行為の中で、たくさんの疑問や問題を持っています。それらに対して、何が原因となるのか、どのように改善できるのかを、 解析データに基づいて提案します。その内容を元に、医師と医療メーカーが話し合い、医師の意向に合った治療器具を作ることになります。医師が納得できる内容をデータとして提示することが私たちに求められているわけですが、医師によるより良い治療に貢献できることを目指しています。また、ユニバーサルデザインの観点から、解析データの数値を反映させた金属製の治療器具のデザインを提案し、より多くの患者に合う器具を作り出したいと思っています。工学が医療分野と密接な関係にあることを多くの学生に知ってほしいですね。

骨の写真

金井靖 教授電子情報学系 数値情報研究室

笹川圭右 教授
Q 数値情報研究室ではどんなことを研究していますか。

データセンターで多用されているハードディスクの次世代垂直磁気記録方式用の記録素子を開発しています。具体的には「マイクロ波アシスト磁気記録ヘッドのマイクロマグシミュレーション」や、「アンテナ・伝搬の計算機シミュレーション」の研究を行っています。

Q かなり高度な研究を行っているそうですね。

私たちの研究室では、国内だけではなく海外の学会で招待講演をしたり、十数か所の国内外の大学や研究機関との共同研究を行うなど、世界に通用するレベルで学ぶことができます。研究室で使うソフトウェアは、民間企業なら1年間の使用料が数千万円もする高額なもの。実践的で高度な技術を身に付けられる環境を整えています。

研究機材
Q そのためには大学院に進んだ方がよいのでしょうか。

外国人と対等に渡り合うためには、学部の期間だけでは不十分です。研究には時間がかかるものです。高度な研究にじっくりと腰を据えて打ち込むには、やはり大学院に進学することが不可欠と考えます。

研究風景
Q 大学院に進学するメリットは何でしょうか。

学部生はどちらかと言うと教員が指示することが多いですが、大学院生は教員に相談することはありますが、基本的には自分が率先して研究を進めていきます。自分のペースで研究を進められる一方、段取りや時間の管理も自己責任です。また、学部生など後輩への助言や支援も必要とされるため、意見をまとめたり、指導するといった管理能力、統率力が自然と身に付きます。

指導風景
Q どんな学生に来てほしいですか。

チャレンジ精神にあふれ、自ら行動できる学生に来てほしいですね。AIなど大量のデータを扱う機会が増えますから磁気記録は今後ますます重要な分野です。柔軟な発想のためには勉強以外のことにも積極的に関わって、視野を広げるのも大切なことだと考えます。

学生たちが笑っている
Q 今後の目標を教えてください。

社会が求めるものを先取りして研究することです。新しい技術により面記録密度(ディスク1枚当たりの容量)が10倍になれば、記録できる情報量が10倍になるだけではなく、消費する電力エネルギーを10分の1に減らせます。次世代磁気記録技術を実現するため、これからも日本国内はもちろん世界のいろいろな国々の研究者たちと共同研究を進めていきます。

倉庫の様子

久保田真敏 准教授食品・環境化学系 食品機能解析学研究室

久保田真敏 准教授
Q 食品機能解析学研究室ではどんなことを研究していますか。

お米とお米の加工品の栄養成分であるタンパク質を中心に、食べ物が人間の体に与える影響について研究しています。お米はタンパク質の供給源としても重要な食品で、そのお米のタンパク質が、病気の予防など健康な体を作るという研究を行っています。

生徒と笑顔の写真
Q これからの研究の展望は。

お米のデンプンに関する研究者はたくさんいますが、お米のタンパク質の健康機能を研究している研究者は少ないのが現状です。お米からタンパク質だけを取り分けて、加工食品の素材という形で活用される機会を増やすことで、食糧自給率の向上にも貢献できると考えています。日本の主食である、お米のタンパク質の研究に一石を投じたいですね。

研究機材
Q 大学院で研究する意義は何でしょうか。

研究職など専門性が求められる職業に就くためには、学部卒の知識および能力では必ずしも十分とはいえません。大学院に進学することで、さらに深く専門的な知識および技術を習得できるだけでなく、研究を遂行する上で基本かつ最も重要となる“理論的に物事を考える”という経験を積み重ねることができます。

研究風景
Q 大学院生にはどんなことを期待しますか。

大学院生にはさまざまなものに興味を持ち、自分でものを考え、自分の責任において計画的に研究を遂行できることを期待します。学部生は研究について右も左も分からない状況ですので、基本的に教員の指示通りに動くことしかできませんが、大学院生は卒業研究を経ていますのでそれでは困ります。教員の支持を待つだけではなく、自ら論文などから最新の知見を得て、研究について積極的に教員と議論できるようになってほしいですね。

研究機材
Q どんな学生に来てほしいですか。

食品および健康に興味を持っている学生、こちらからの指示を待つのではなく、積極的に自分で考え動ける学生に来て欲しいですね。また自身の研究テーマについて最も詳しいのは自分であるという自負を持てるくらい研究に没頭し、研究について教員と対等に議論できるようになるんだという向上心を持っている学生を希望します。

研究施設の写真

倉知徹 准教授建築都市学系 建築・環境デザイン研究室

倉知徹 准教授
Q 建築・環境デザイン研究室ではどんなことを研究していますか。

建築・都市空間を変え、街を変えることで、地域社会の活力を生み出す実践的な研究をしています。都市や環境のデザインでは、建物が集まってできる街や都市のハード面のデザインをどうするかに加え、まちづくりに必要な、誰がどこで何をして、誰と誰が何を決めて、それを元に誰がモノを作るかというプロセス=ソフトを考えていかなければいけないことを伝えています。

建築モデルのジオラマ
Q なぜ大学院に進んだ方がよいのでしょうか。

大学院は集中的に思考を深められる場所です。特に、実践的なプロジェクトを通して学内外の人々と議論をし、実際のまちで求められていること、提案可能なことを把握し専門性と能力を高められます。また、様々な企業や職種を知ることができ、就職に向けた適性を自分で判断できるようになります。

卒業設計展の様子
Q これからの研究の展望は。

今我が国では、地域社会の持続可能性に大きな課題を抱えています。高度経済成長期に作られた建築物は、築50年を迎え、老朽化も進んでいます。これらの膨大な建築ストックを活用し、これからの地域社会の活力を生み出す事が大切です。建築・都市の空間を変える事で、まちを変えていく方法を実践的に研究しています。

レイアウトの写真
Q 大学院生にはどんなことを期待しますか。

建築や都市空間を作り、支えている社会に対する洞察力を持つことを期待します。大学院生は年齢的にも一社会人です。学内外の人と情報交換し、自ら考え行動できることが必要です。実践的なプロジェクトでは、そのような能力が求められます。こうした経験を積み、大学院修了後は、企業や地域のリーダーとして活躍できる人材となってほしいと考えています。

発表の様子
Q どんな学生に来てほしいですか。

積極性を持ち、好奇心旺盛な学生に来て欲しいです。またポジティブ思考も大切です。建築や都市の空間を変化させようとする人間には、このような素質が不可欠だと考えます。東京や大都市と比べると柏崎は「遅れている地方都市」と感じるかもしれませんが、実は解決すべき課題が豊富なフロンティアで もあります。そのフロンティアから日本や世界のまちを変化させたいと考える人を歓迎します。

モデルハウス見学の風景