大学院生

博士前期課程1年 ナノ材料化学研究室 指導教員:藤木一浩 教授
高校時代から漠然と化学系について深く学びたいと考えており、大学での学びを通して材料科学について興味を持ったので、ナノ材料化学研究室を選択しました。
生分解性ポリマーのグラフト化について研究しています。具体的にはカーボンブラックやカーボンナノチューブをはじめとした炭素ナノ材料と呼ばれる材料表面へ生分解性ポリマーをグラフトするという研究です。昨今ではプラスチックなどの高分子材料について環境上の問題点が指摘され、その対策の検討が活発になっています。そこで、ポリ乳酸に代表される生分解性ポリマーという、自然界の微生物の働きによって使用後は完全に水と二酸化炭素に分解されるという特徴をもち、環境に配慮したプラスチック材料を利用して、ナノ材料の表面に生分解性ポリマーを毛の様にくっつける(グラフト化)ことで、材料の持つ欠点の改善や新しい機能の付与を目的として研究しています。
生み出される材料は小さなものですが、今までの材料にはない新しい機能を持った材料を自分の手で作り出せるかもしれないという期待を持って研究できるという点がやりがいにつながっていると感じています。炭素ナノ材料と生分解性ポリマーとの反応中における反応の温度や時間を一定に保ち続けるためにしっかり管理しなければならないという点です。また、反応が上手くいかずに期待していた結果が得られなかったときも苦労しました。
今後、就職を希望している企業で研究開発などに携わりたいと考えており、研究活動を通じて得た知識を活かしていければと考えています。
研究室で学んだことに関連して、化学系の素材開発業への就職を希望しています。
卒業研究では満足できないと感じた人も、大学院ではより研究に力を入れて取り組む機会を増やすことが出来ます。また発表する機会が増え、自身の意見を言語化して伝える能力が向上すると思います。これは就職後にも役立つと考えられますので、研究を少しでも続けたい、発展させたいと考えている人は大学院への進学をおすすめします。

博士前期課程1年 建築・環境デザイン研究室 指導教員:倉知 徹 准教授
倉知先生は、企業やまちとのプロジェクトを多く企画しています。私は、まだまだやりたいことが明白でなく、プロジェクトに参加したり、倉知先生の色々な話を聞いたりする中で、自分のやりたいことを見つけたいと思い、この研究室を選びました。
学部4年次には、田んぼを題材とした卒業設計に取り組みました。日本の原風景であり、日本人の主食であるお米を生産する場である田んぼが減少していることを私は危惧しました。そこで、カントリーエレベーターの建て替えを機に、田んぼやお米・カントリーエレベーターに関する展示を行うミュージアム機能を付随した施設の提案をしました。
田んぼはとてもスケールの大きいものであるので、それに見合う建築を考えることがとても難しかったです。最初は田んぼに小さな建築を置いていく設計を考えていましたが、最終的には全長475mの大きな設計になっていました。
これからも日本の原風景やその土地の風景について考えていきたいと思います。今後本格的に始まる研究活動では、そういった点を踏まえた研究を行い、地域に寄り添った提案ができるようになりたいと思います。
修了後は県内に就職しようと考えています。職種はまだ決めていません。これから大学院に進学して考えていきたいと思います。
私は、建築についてもっと学んで、大学での学びを深めて、自分のやりたいことを見つけるために大学院に進学することを決めました。大学院生はあまり多くないので、先生とより深く学びを深めることができると思います。学びを深めたい人や私みたいに何をやりたいかがまだわからない人は、大学院に進学してみるといいかもしれません。

博士前期課程1年 環境設備・芸術工学研究室 指導教員:飯野秋成 教授
VRを用いて建築作品を見たり、考えたりするコンテンツを新しく作りたいと思ったからです。VRで見ることでしか発見できない事が建築作品に多くあると気付いたことが理由でしょうか。
VRを用いた建築作品の講評会、作品を考える際の支援ツールの開発を行っています。ゲーム開発ツールを使用したVR空間を開発し、その空間に作品を入れ込み、設計者、教員ら複数人と作品を共有しながら鑑賞できるかを研究しています。
作品を鑑賞する、コミュニケーションするといった現実的な機能や、上空から作品を見るなどの非現実的な機能を組み合わせて、コンテンツとして機能させて考えること、導入することが大変でした。
建築作品を設計する授業の支援ツールとして活かせるように開発していきたいです。
建築の設計関係に就職したいと思っています。そしてこの研究の技術を使って、建築作品を多くの人に見てもらい、より建築の良さが伝わってくれればと思います。
自分の研究を追求してやりたい、専門科目をさらに深く学びたいという人には進学をおすすめします。また悩んでいる人は大学院にいってやりたいこと、やってみたいことを考えて、「大学院じゃないとできない」と思ったら進学をおすすめします。

博士前期課程2年 建築地震防災研究室 指導教員:田村良一 教授
中学生の頃の職場体験を機に、建築に興味を持っていきました。大学に入るときも漠然と建築について学びたいと思っていました。しかし、大学生活をおくるうえで、授業で学習した昔の地震の被害や年々増加する巨大地震、それに伴って甚大な被害が出ているのをテレビ等で見たりするうちに、地震に強い建物について研究してみたいと思うようになりました。だから、建築防災研究室を選びました。
「多雪地域における雪積荷重が木造住宅の耐震性に及ぼす影響」。東北や北陸など多雪地域において、雪積荷重が(地震時に)木造建物の倒壊に及ぼす影響を、建物の強度や年代を考慮しながら研究しています。雪国の木造住宅の耐震性向上に貢献できるように頑張りたいです。
大学院1年では主に試験体を製作して実験を行っていました。初めての試験体の製作だったので慣れるまで時間がかかったり、多くのデータを得るために試験体を何個も製作したり、実験がうまくいくように作り直したりしていたのでそこが大変でした。研究なのでうまくいかない事がありましたが、その分、うまくいったときはとてもうれしかったし、達成感がありました。また、実験を行ってデータを収集することも大事ですが、実験がうまくいくように試験体を図面通り正確に製作したり、実験を行うための設備を整えることも重要だということを学びました。
将来は、建築業界において、地元である山形県、ひいては日本の建築分野に貢献できるような技術者になりたいです。
修了後は、地元である山形県の企業に就職したいと思っています。建築関係の仕事に就きたいですが、具体的には決まっていません。でも、大学、大学院で学んだことを生かせるような職種がよいと考えています。
大学院では、専門性の高いことを学び、人に指導し、後輩の見本となるなど、学部時代とは違った経験を得ることができます。自分の技術や知識をより磨きたいと考えているなら、一度大学院への進学を考えてみてほしいです。
修了生

修了年度:2018年度 フィールドロボティクス研究室 指導教員:大金一二准教授
日本でいち早く雪上車の製造を手掛けたメーカーであり、常に新しいことにチャレンジする姿勢に魅かれて、入社を決めました。
学部との大きな違いは学会発表を複数回行ったことです。学会発表を通じてプレゼンテーションスキルやofficeソフトによる資料作成スキル、文章力を大いに身に付けることができました。今の業務はこれらのスキルを求められる場面が多く、大学院での経験が仕事でも活かされています。
技術者として触れておくべき分野を2年間集中して学べたことが良かったです。ロボットは機械設計・電気回路・プログラムと様々な要素があり、学部4年の研究だけでは全てを学ぶことができませんでした。大学院に進学したことによって、これらの要素の基礎をしっかり学ぶことができ、仕事でもこの基礎知識が役に立っていると思います。
私は学部4年生の初めは就職活動を行っていました。しかし、就職活動を行う中で、当時の自分が社会に通用する自信がなくなっていき、先生の助言もあり、大学院への進学を決めました。大学院では研究や学会発表、イベント参加を通して、自分の足りない部分の能力を高めることができました。結果として地元の有名企業に就職することができたので、進学を考えている方や就職活動が上手くいかない方は是非大学院への進学を考えてみてください。
修了年度:2008年度 指導教員:角山正博 教授
新潟県内トップクラスのIT企業であるため。採用面接で述べた志望動機は「地元の長岡市に貢献できること」かつ「活躍の場が県外や海外にもあること」でした。
SEという職種にとってコミュニケーション能力が必要となる場面がこんなに多くあるとは想像していませんでした。少ない労力で誤解なく情報を受け取り、伝えることが重要です。その能力が大学院での研究発表によって養われました。
大学院への進学は研究室に配属された時から決めていました。研究成果を満足いく形にするには学部卒業までの期間では足りないと感じたためです。目標を定めて主体的にやり遂げることができるという自信に繋がっています。
大学院での時間を、将来を考えるために活用することは決して後ろ向きではありません。就職先によってその後の人生観が大きく変わると思うため、焦ってほしくありません。私は、子供の頃から「胸を張れる生き方をしたい」と考えていました。お金を得る方法もその一つです。今の会社に就職できたことで胸を張れる生き方ができ幸せです。

修了年度:2019年度 生物化学工学研究室 指導教員:竹園恵 教授
化学工学などの自分の学んだことを活かせる会社を探していたところ、今務めている会社を竹園先生から紹介されました。説明会と工場見学を経て、自分のやりたい仕事だと感じたため、現在の就職先に決めました。
部署内のミーティングで発表するときです。資料の簡潔なまとめ方や発表の仕方を大学院で学べたおかげで、スムーズに行うことができています。
計画性と論理性がついたと思います。計画的に行わないと時間を無駄にしてしまうため物事を効率的に行えるようになりました。また、データをもとにどのようなことが起きているかを考え、根拠を用いて説明することができるようになりました。
大学院では、研究が上手くいかず心が折れてしまいそうな時が度々あります。しかし、無事に大学院の修了まで頑張ることができれば自分なりに得られたことがあると感じることができると思います。自分の将来をよく考えたうえで、進学を決めてください。

修了年度:2019年度 環境設備・芸術工学研究室 指導教員:飯野秋成教授
私は、VRを使って災害復興の役に立てるようなものを開発することを目標に、中越沖地震で被害にあったえんま通り商店街を対象地とし、研究を進めました。そこで地元の方と接する機会が何度かあり、その方の復興にかける思いに強く影響を受けて、今の職業を選びました。
1番はコミュニケーション能力だと思います。今の仕事は地元の人と接する機会が多くあり、大学院での経験が活かされています。また、今は土木の仕事をしていますが、建築の面からも意見が出せることがたまにあるので、その時は経験が生かされていると感じます。
自分の可能性を広げることができたことです。学部4年の就活では、会社の説明を聞くたびに、このまま就職してもいいのかという不安が大きくなり悩んでいました。しかし研究を進めていくうちに自分がやりたい方向がうっすらと見え始め、もっと自分のスキルを上げなければいけないと思い、大学院への進学を決めました。大学院の2年間でそれが達成できたと感じています。
大学院では時間がたっぷりあります。そのたくさんの時間をどう使うかが1番大事だと思います。大学院では、さらに自分で考えて行動することが求められます。目標を設定し、そこから逆算して計画していくことが重要です!もちろんたまには息抜きも必要ですよ。それも含めてうまく時間を使うととても有意義な大学院生活になると思います。それとやる気!ですね。